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 私はこれまで文化人類学者として、太平洋の島々(バヌアツ、ニューギニア)、日本(山形県)、東アジア(韓国、中国)でフィールドワークを行い、祭りや社会構造について研究をしてきました。いまの関心は、1) 人間の身体において、生物的な自然性と人間の作り出した文化性とはどのような関係にあるのか、2) 儀礼(祭り)と演劇の表現の仕組みにおける共通性から、人間の行為の意味について身体の側から考えられないだろうか、3) 日本における近代化はどのような「もう一つの」近代化であるのか、といった問題に向けられています。
 こうした関心から、1) からは、たとえば身体をふくめた「教育」の問題、2) からは実際の演劇・ダンスのパフォーマンス、3) からは「日本」について、それぞれ文章を書いたり講演をしたりする仕事が生まれました。また、たんに書いたり話したり、というだけでなく、愛知万博の企画や、「キッズ・プレイキャンパス」という子供たちの体験スクールの実施、といった社会活動も行っています。ニュース番組のコメンテーターをつとめたり、テレビで講義を行っていることも、研究活動を根とする、社会的な貢献と考えています。

 私は楽観論者でもペシミストでもなく、常々リアリストであることを心がけていますが、ここ十数年の世界における事件や流れ、日常で出会う出来事は、私たちの踏みしめている道が、しだいに下り坂になっていることを感じさせます。研究・教育の活動と、社会的な活動とのバランスをとりながら、その足の裏の感触をいろいろなメディアを通じて表現することが私の目標です。
船曳建夫 
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